何てこったい! SW-300ATX
その夜、アキバの片隅の何時ものお店では、何時もの如く少々怪しげな「宴」が催されていた。
私を含めて10人という参加者は、「地方」からお客様を迎える時以外では最近としてはかなり
多い方だ。 「お疲れ様〜!」と1人また1人と「宴」の参加者が増える度に「乾杯!」を繰り返し、
そこそこにアルコールがまわり始め、お決まりの今日の「コロッケ」や「グラタン」を突いている
内に腹も落ち着いてくると、夫々の今日の「戦利品」のお披露目が始まるのも、何時ものことだ。
今日は何も収穫が無かった私は、U氏の戦利品であるPromiseのSuperTrak SX6000とかいう
IDE RAIDカードのドでかさに驚いていると、回りからちゃちゃが入る。 「i960じゃぁねぇ?」とか
「所詮はIDEじゃん!」とか、無責任に言い放つ。 このメンバーでも最初の頃にはまだお互いに
多少は遠慮というものも有るには有ったが、最近ではそんなものは全く無い。
そうこうしている内に、ふと私に声が掛かる。
Iさま:
おぅい! てらさん、てらさん。 電源だよ、電源!
私: はい!?
Iさま:
ほらぁ。 これよ、これ!
私: あっ、はい!?
その時私に手渡された「電源」は、このようなパッケージに入った代物であった。

私: あうっ、コ、コイツは!!
m氏:
ほう、これはリテール電源の箱としては最小のもののようデシな。
私: う〜ん? 果たしてコイツは、リテール品と呼べるのだろうか?
一通りパッケージを眺めてから、おもむろに、私は尋ねた。
私: 一体全体、何方がこのようなものをお買いになったのですかぁ?
f氏:
えっ? それは私ですけれども、何か...?
私: げぇ、そのうち誰かが買うかも知れないとは思っていましたが、
まさかf氏とは!
f氏:
ペンプロマシンの250W電源が、最近不調なものでして。
私: そういう問題ではない! これってそこいらで1,980円で売っている物ですよね?
f氏:
そうです。 だから、余り期待はしていませんが。
私: 期待するとかしないとか、恐らくはそれ以前の問題だと思うのですが。
U氏:
はて、それは一体如何いうことですか?
私: いや、実は私も興味が有ったのでネタになりそうなものかと手にとってはみたのですが、
その余りの軽さに愕然と致しましたものでして...。
R兄:
泣きて、3歩歩まず?(笑)

私: むぅ、やはりラベルの出力表記を見ても、300Wクラスのものではありませんね。
師:
どう見ても250Wクラスがせいぜいじゃのぅ。
私: やはり、きちんとしたメーカー名はございませんようですし、入力の表記も妙ですね。
私: そういえば、60Hzって、確か以前何時もの掲示板で話題になったような。

f氏:
これ、ケーブルが短いですよね。
私: えっと、27cmしかございませんが。
f氏:
届くかな?(汗)
私: それに、Auxiliary Power Connector や
+12V Power Connector が付いている
こと自体が虚しい...。
師:
今時、サービスコンセントが付いているというのも珍しいのぅ。
私: サービスコンセントは要らないので、On-Offスイッチを付けて頂きたい。
R兄:
この「AC100/60Hz」というシールも怪しげな。(笑)
U氏:
しかし、ケースはちゃんとしておりますようですが?
師:
他の物を流用しとるだけじゃろう。
Iさま:
てらさん、カッターとドライバーは?
私: はぁ?
Iさま:
腑分けでしょ、腑分け!(笑)
ゴトっ、f氏がテーブルの上にスイス・アーミーの所謂
「十徳ナイフ」を置く。 私は詳しくは無いが、
私の持っているような偽物とは違って、こいつは正真正銘のブランド物、結構お高い物の筈だ。
ナイフで封印を切り、ドライバで4つのビスを外し...、かちゃっ。
私: あ゛!
U氏:
何で折角開けた蓋を元に戻すですか?
私: いや、これは見なかったことにしましょう。
U氏:
見せて下さいよぉ。
私: 見なかったことにしておいた方が、幸せになれますって。
U氏:
いやいや、やはり見たいですね。
私: そっ、そうですかぁ?
如何しても気の進まない私は、U氏に促されて止むを得ず渋々と再度電源の蓋を開けた。

U氏:
あぅ!? すかすか!?
私: だから、見なかったことにしましょうって。
師:
しかし、見事なもんじゃのぅ。
私: ACインレットから白と黒のラインが基板に
入っておりますが、その後にはサーミスタと
ヒューズしかありません。
師:
フィルター部は無しか。
私: 「ハ〜ァ、Xコンもネェ、Yコンもネェ、
コモンモード・チョークは何者だぁ〜♪」(泣)
R兄:
「オラ、こんな電源イヤだ〜♪」 ですか?
(笑)
m氏:
潔く日本の電気を信頼しているのデシな。
(爆)

私: 入力電圧の切替スイッチもございません。
師:
徹底的な省コストじゃな。
私: では何故にサービスコンセントが?
師:
さぁ?

私: 何で黒く塗り潰されているのでしょうか?
師:
うぅむ、コイツは日本ケミコンじゃのう。
私: でも、200V・220μFですが。
師:
確かにそうじゃな。
私: ブリッジのスタンプが見えないのですが?
師:
どれどれ。 「がさごそ...、パチッ!」
U氏:
ややっ、懐中電灯もお持ちなので?
師:
ここは暗いからのぅ。
私: 警官に職務質問されて、所持品検査でも
されたらヤバイですね。
師:
ふうむ、微かにだが「406」とあるようだが...って、ヤバイとは如何いう意味じゃ?!
私: その風貌で、その上所持品にドライバーや懐中電灯では...。
師:
オヌシ、破門されたいのか?
私: あ、いや、単に率直な感想でございますので、何卒ご勘弁を。
師:
如何やら、破門だけではなく獄門にされたいようじゃの?

私: えぇっと、上のシンクにはC4106が2つ。
師:
サンヨーか?
私: それらしいロゴは、見当たりません。
師:
左の奴は、STMicroelectronicsじゃな。
私: 中央左のフォトカプラには消えかかった
スタンプで、SHARPとございます。

師:
ふむ、339はSTMicroelectronicsで、494は
東芝じゃな。 結構まともじゃないか。
私: うぅ、確かにLM339ANとTA76494Pでは
ございますが。
m氏:
まことかっ!
私: あやゃ、このようなところで発症しないで
下さいな。
m氏:
あんですと〜!
私: 駄目だ、こりゃ。(笑)

私: こちらは左から45N03LT、CTX12Sそして
SBL3045PTとございます。
師:
このあたりもスカスカじゃのぅ。
私: トロイダルが1つしかないのは元々の設計の
ようですが、チョークが2つ省かれております
です。

私: コネクタへの出力部でございますが。
師:
今更、どうこう言うても仕方ないじゃろ。
私: 御意っ!
師:
おやぁ? オヌシも発症しとるようじゃな。
私: ハッ!?(汗)
私: こちらのケミコンは、Licon Electronicsと
いう香港の会社のもののようですね。

私: FANはこれですが、RUILIAN SCIENCE &
TECHNOLOGY CO.,LTD.という会社は、全く
存じ上げませんな。
師:
型番はRDM8025SA、0.13Aとあるのぉ。
U氏:
FANも、削れるだけ削っている?(笑)
師:
まぁ、200W、いや150Wクラスと考えて使えば、何とかなるか。
私: 145WのSFX電源の方が、よっぽど安心して使えますが...。
師:
それは確かにそうじゃな。(笑)
私: ということで、このような怪しげなものは没収させて頂きますので、宜しいですね?
f氏:
えっ? えぇつ?!
私: 後日、コイツの代りの品物をお送りさせて頂きますので、それでご勘弁願います。
f氏:
いやぁ、私は別にコイツでも充分なのですが...。
私: そのようなことは、私が絶対に許しませぬ!
f氏:
ひぇ! はぁ、そうですか。 それではお任せ致します。
私: ありがとうございます。 承知致しました。
私は、喜びを抑えながらそそくさとf氏から巻上げたコイツを自分のかばんの中に押し込んだ。
ついでにM氏からお預かりしたCPUとHDDも持って帰ろうとしたのだが、ばれてしまった。(笑)
その後もこの少々怪しげな「宴」は、閉店時間に至るまで更に更に盛り上り続けたということは
言うまでも無いだろう。

では、お決まりの「裏画像」でございます。
まぁ、1,980円にしては良いのではないかと。

基板には、このようにございました。
「SY2001」ですか。 そのような型番の電源は、
う〜ん、全く思い当たりませんね。
それでは、通電してみましょうか。 まぁ、いきなり火を噴いたりはしないでしょうから。(笑)
ざっとこのような感じでございます。 +12Vが少々ふらつきますが、こんなものでしょう。
暇な時にもう少し負荷をかけてみましょうかね。(笑)

