えたしす死す!2題 EPA-330
それは、某2001年11月16日、月曜日 の朝の出来事でございました。 何時もの如く『ちんたら』と
出社した私は、自分の机に向って腰をおろしながら、サイドテーブル上の『お仕事用マシーン』の
電源を投入致しました。 しゅるしゅるとMicrosoft Windows®は、何時もの如く立ち上がり...、
『はぁ??』 何故か、NTのドメインに参加出来ませぬ。(汗)
取り敢えず、確認のために普段はつけていないサーバ機のモニタの電源を入れてみますと、何と
『真っ暗』。 慌ててサイドテーブル下のサーバ機を眺めてみますと...、電源が入っていない!
『ちっ!』 休みの間に停電でもあったのだろうかと思い、サーバ機の電源を再投入する。
『ポチッとな!』...『すかっ!』 んんん?! これはオカシイな、もう1度だ。
『ポチッとな!』...『すかっ!』 げぇ! 何と、電源が入らんでは無いか!
ということで、サイドテーブルの下から引き摺り出したサーバ機と暫く格闘した結果、原因は電源が
お亡くなりになったらしいと推測されたため、脇に放り投げてあった250W電源と交換してみますと、
やはり無事に起動致しました。 何てこったい...。(悲)
う〜ん、しかしこのような電源で『24時間連続稼動』は心許無いので、早速替りとなるような奴を
探しにいかねばなりません。 で、開店時間に合わせて、アキバへと向ったのでございました。
と、電源を交換されたサーバ機は、無事に復活致しまして現在も『連続稼動』を続けておりますが、
問題はこの故障した ETASiS EPA-330 でございます。 1年半余りの間、メンテナンス時以外は
『連続稼動』をしていたとはいえ、寿命というには少々早すぎます。
私: 如何やら、ヒューズが切れたようでございます。 代えてみるかな。 しかし、ヒューズ切れの
原因がわからないと不安だし...。 代えて動作確認が出来たら、売り飛ばすとか。(爆)
師:
おそらく、ヒューズを交換してもまた切れるじゃろう。 運が悪いとスタンバイの小トランスが
焼損じゃな。 その前にお預かりしたほうがよろしいかと。(笑)
ということで、私の壊れた ETASiS EPA-330 は、一先ず お師匠様 のところへ『入院』すること
と相成りました。
と、それから半月後のことでございます。 趙雲子龍 将軍から「ETASiS EPA-330死す!!!」の
ご一報がございましたのは...。

「で、試みに箱を開けてみたところ・・・
ヒートシンクの間・トランスの付近にサブボードっ
ぽいのが立ってますよね? あいつにくっついて
いる部品の色が変。 ドライバでつつくと、如何
にも何かが付着(つもって)している感じ。
横から見ていたまっちゃんとキタクンが、その
ボードのTrに異常を発見!
なんと、足の数が足りません。 一本しかない。
『切れている』とかじゃなくて、存在していない。
どんな壊れかたをしたんだ、EPA-330!」
と、以上が 趙雲子龍 将軍から送られて参りました画像とコメントでございます。
う〜ん、しかしまぁ、これはまた見事に『吹っ飛んで』おりますなぁ。(汗)
EPA-330の『MTBF』は、100,000時間とされております。 これは連続稼動させたと致しましても、
11年余りの期間となります。 まぁ、『平均故障間隔』でございますので、当然平均よりも短いこと
もございましょうが、こう立て続けに故障するというのも、少々おかしなお話でございます。
左のラベルは私のもので、右は 趙雲子龍 将軍のものでございます。 どちらも使い込まれて
薄汚れておりますですねぇ。(笑) って、そういうお話ではございませんですね。
同じ ETASiS EPA-330 でも、私のものは単体売りのもので、将軍のものはSONG CHEERの
ケースに付属のものでございます。
確か2年程前に、SONG CHEERのケースに付属の ETASiS EPA-330 に不良ロットが混じって
おるとかで、回収騒ぎになったことがございましたが...。
ということで、このような状況をご解説して頂くためには、やはり再度 お師匠様 にご登場願う
しかございませんですね。 それでは、宜しくお願い致します。
将軍のえたしす画像を拝見しました。
「このようなことは何故起こるのか」、設計が悪い!! ・・・では実も蓋も無いので。(笑)

先ずは、こちらの図面を見てもらおうかのう。
"C202"(50V4.7µF)の極性は、この図面のように(下が+)なっていなければならないのじゃが、
現物は 逆 なのじゃ。
基板シルクも逆なので、設計者が図面を描くときに「やっちまった」のではないかと思われる。
この"C202"、直ぐには壊れず段々と容量抜けを起こしていくのじゃが、"C202"による平滑が
不十分になると発振が不安定になり、急激に"Q3"の損失が増えて破壊ということになる。
(短絡モードじゃな。)
すると、直流280Vが"T2"のp1巻線を通して"R206"(1.3Ω1W)にかかるので、"R206"はあっと
いう間に焼き切れてしまうことになるのじゃ。
トランスp1巻線(直流抵抗6Ωほど)は、細いとはいえ銅線なので直ぐに焼ききれる事は無いよう
でな。 大抵、レアショートになるようじゃ。
"Q3"のドレイン-ソース間が破壊すると、ゲートももろともにショートしてしまうのじゃ。 で、
"R206"が切れれば"Q201"、"Q202"にはいきなり280Vがかかり短絡モードで破壊の後、抵抗
の高いところが焼き切れるという訳じゃ。
ざっと、こんな感じじゃな。
一般に、SB5Vの小トランス一次側は直流抵抗が大きいので、パワー素子が破壊してもメイン
のヒューズを溶断させるに至らんのじゃ。
そのため他の多くの電源では、この回路で言えば"HV+"のラインにヒューズ抵抗(もしくは普通
の酸金)を入れて、このような悲惨な(?)ことにならないようにしているようじゃ。
最後になったが、将軍にはよろしく伝えて下され。 納期不明ながら修理の受付も致しますぞ、
とな。(笑)
成る程。 解説ありがとうございました。 しかし、現物から図面を起こしてしまうなんてぇのは、
流石は 達人 と申すべきか 暇人 と申すべきか...。(殴)
あれ? 私のものでは『Q202』は、2SC945では無く2SC1815となっておりますが...。(笑)
ということは、私や将軍のものだけでなく、同時期に生産された ETASiS EPA-330 では同様の
『故障』が発生する可能性が高いということでございますねぇ。(汗)
ともあれ、 この お師匠様 のお言葉を、趙雲子龍 将軍にお伝え申し上げましたところ、
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
あの『ぴかぴかぼでい』はちと捨てがたいものが御座いますので、
お願いできれば無上の喜びで御座いますです。\(^O^)/
捨てる・飾っておくことを考えれば、納期なぞいつでも結構でごぜぇます。」
とのことでございましたので、修理が完了したという私のものと交換で、将軍のものにも『入院』
処置が取られることと相成りましてございます。
ところで、修理完了した私のものを引き取り、引き換えに将軍のものをお預けするという光景は
既に『ネタ』の中に登場しているのですが、覚えていらっしゃいますかぁ?(笑)
で、私のものの『修理完了』の お師匠様 のご報告は、以下のようなものでございました。
てらさんのヤツは、5VSBはまだ無事じゃった。 しかし、メインのFET"Q1"、"Q2"が逝ってる。
破損部品
F1:FUSE 6.3A --> 7A (手持ちがなかったので)
Q1,Q2:(2SK2648(富士電機)) --> FS10SM-18A(三菱)
U1:UC3843B --> UC3843(メーカ忘れた)
機能強化など
C4:250V0.1µF --> 250V0.22µF 入力低電圧時の起動特性を改善。 90Vでも問題無く起動する
ように。
ゲートチャージ抜き取り回路追加。 2SA1680基板裏付け。 ダイオード ERA91-02は表。
C202:50V4.7µF --> 50V10µF スタンバイ電源のケミコン。 極性も正した。
*もともと入ってた奴は、既に2µFを切っておったでなぁ。
それでは、お師匠様 による修理個所を眺めてみることに致しましょうか。

こちらの茶色いケミコンが、問題の『C202』で
ございます。
ふむ、将軍のものと比較致しますと極性というか
向きが逆になっておりますのが、お解り頂ける
かと思います。

こちらが追加された2SA1680でございますか。
何か、イマイチ心許無いような気も致しますが。
(汗)

Q1,Q2は、覗き込んでみましても良く解りません
ですねぇ。
左下に見えますのが、追加されたERA91-02で
ございましょうか? って、この画像では解り
ませんですか...。
さて、将軍のものが『入院』してから大分時間も経ち、もう忘れかかっていた頃に お師匠様 より
『修理完了』とのご連絡を頂きました。
故障状況:サブ電源回路焼損
案に相違してトランスは無事じゃったので、その他のパーツを交換してオリジナル回路を復元して
みた。(ケミコンの極性は正したがの。(笑))
FETは手持ちの関係で、FS3KM-16A(三菱)から2SK2651(富士電機)に変更させてもらったぞ。
ということで、「おまいら、お引渡しの場所日時などご指示よろしくおながいします。」
わーい! 宴会だ、宴会だ。(殴)
修理完了した 趙雲子龍 将軍の ETASiS EPA-330 は、何時もの怪しい宴会にて無事に私の
手許へと戻りました。
折角でございますので、将軍のところへお返しする前に、少々検分させて頂くことに致しましょう。

この向きですと、『C202』とございますのが見え
ますね。
奥の『Q201』も、復元されております。
小さなシンクを背負っておりますのが、『Q3』で
FS3KM-16Aから変更された2SK2651でござい
ます。
それでは、動作確認のために点火してみることに致しましょうか。
と、こんな感じでございました。
さてと、お師匠様 にはお礼として何処ぞで一献振舞わなければなりませんでしょうなぁ。(笑)
その代り、 ETASiS から何か文句を言ってきた時には全て お師匠様 のせいにさせて頂き
ましょうかねぇ。(爆死)

